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理学療法士/呼吸療法認定士の日常

仕事、資格取得、勉強など今まで経験や日々感じてる事を書いています。

手術の後ってリハビリが必要?今では当日、翌日から開始しますよ。

どうもMSです

私は急性期(発症して間もない状態)病院に勤務している理学療法士です。

 

突然ですが、皆さんがリハビリと聞いてイメージするのは治療がひと段落した後に歩いたり、筋トレをする事ではないでしょうか?

私が普段関わる方々も多くは上記のようなイメージで「手術後ってリハビリが必要なんですか?」と質問される事が良くあります。

勿論、整形疾患(膝や腰など)で通院、入院される方はリハビリを目的としている事が多いですが、呼吸器・消化器・循環器系の手術をされる方の多くは手術後は安静にしているのが普通だと認識している状況です。

 

まだまだ世間的にはリハビリ、理学療法の認識が昔のままであり介入に抵抗感を感じる方もいらっしゃいます。

そんな方の為に現在の手術前後の理学療法展開について書いていきたいと思います。

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●以前は安静が鉄則

理学療法の歴史からも以前は手術による侵襲が加わった後は安静が優先され、身体の状態が落ち着いたらリハビリを開始する。というのが当たり前でしたが

現在では身体機能の維持、早期の日常生活活動再獲得、早期退院を目的とし手術当日・翌日にはリハビリを開始する事が増えています。もちろんリスクは伴う状況なので、安全には十分配慮し痛み、循環・呼吸・代謝に注意しながらの関わりが必要となります。

 

●なぜ手術直後からリハビリが必要なの?

今回のメインです。

なぜ手術直後からリハビリしないといけないのか?という事

手術後は合併症が多いのです。

その中でも今回は呼吸合併症の観点から書いていきたいと思います。

手術後の呼吸合併症は①換気障害、②肺胞でのガス交換障害、③循環障害に分けられます。

 

①換気障害

 ・呼吸中枢の抑制:麻酔、鎮静、鎮痛薬による一回換気量低下

 ・呼吸筋の運動抑制:創部痛、胸腹帯による運動制限、横隔膜の運動機能低下

 ・上部気道(上気道および気管)の狭搾・閉塞

 

②肺胞でのガス交換障害

 ・無気肺:肺の一部に空気が入らなくなる状態

 ・肺炎:気道内の感染

 ・肺水腫:水分が肺血管外に貯留する状態

 ・間質性肺炎:肺の間質の細胞浸潤を伴う浮腫

 

③循環障害

 ・肺血栓塞栓症:下肢深部静脈の血栓が飛んで肺に閉塞すること

 

このように多様な合併症を引き起こす可能性があり、手術に負担に加え、上記合併症を引き起こした場合、身体にはさらに大きな負担になります。

それはより身体機能の低下に繋がり結果的に退院が延期したり、今までの生活を送るために必要な体力が低下してしまいます。

 

●じゃあリハビリって何をするの?

呼吸に対するリハビリとしては上記合併症を予防する事です。

基本的には横になって寝ている状況よりも、背もたれを起こして座る、立つ、歩くという行為は①換気障害の予防になります。

その中で

・動く時の鎮静・鎮痛剤の容量を最低限にする

・臓器圧迫の介助、換気量を増やす事での横隔膜運動促進

・呼吸流速を速める事で気道に溜まる痰を排泄する

事が重要と日々感じています。

 

②の状態となってしまうと治療が必要となりますが、その中でも状態に合わせ横になっている状態から身体を起こすという行為が効果的です。

 

③に対してはまず血流が滞らなく血栓が出来ないように筋肉・関節を動かす事が重要です。

 

ちなみに私の勤務している病院では手術翌日(集中治療室にいる際)から理学療法が開始されます。

 

●実は手術前からリハビリは始まっている?

手術直後からリハビリを開始する為に、実は手術前の説明や信頼関係作りの時間も必要になります。そのため、手術数日前から顔を合わせる機会を多くとるようにしています。

 

こんな記事を見て、リハビリが手術の前から始まるという事が一般的になるように、今後も情報発信していきたいと思います。